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製造元・・・ぽぷら。ゆる~くメイプル、だが譲れぬ一線がここにある。
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2024.11.22 (Fri)
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2011.09.20 (Tue)


この物語はフィクションです。

全てはメイプルストーリーの世界観を基にした架空の物語です。



──────これはまだ暗黒の魔法使いが猛威を振るっていた頃のお話。




暗黒の魔法使いの恐怖に脅えるこの時代に、一人の盗賊がおりました。

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彼の秘密を追い続けた元騎士団の二人。成果はあったのでしょうか。

しかし、時は待ってはくれません。暗黒の魔法使いは日に日に力を増していきます。

数ヶ月経って・・・遂に彼は動きました。



彼と暗黒の魔法使いの、最後の戦いが始まります。








 

教会へと向かう途中、もう一つの可能性だった奴等に出会った。

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どうやら教会を見張っていたらしい。

一度直にヤツを拝んでいるから多少はヤツの危機を感じるのだろう。

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盗賊:ダメだったようだな。

服装を見て判断した。・・・いや鎧くらい着ておけよ。

いきなり現れた俺に驚いていたが、やがて苦い顔をして答えた。

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剣士:・・・ああ。分かったのは君の強さの秘密だけだ。

盗賊:ほぉ?言ってみろ。

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女剣士:・・・貴方、龍の力を借りているのでしょう?

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剣士:ヤツと拮抗できるのはそのおかげのはず、私たちがヤツを倒せないのもそれが理由だろう?

この数ヶ月、似たような力が存在しないか探してみたと。

龍、精霊、妖精、天使、神、etcetc...

剣士:ダメだった・・・会うことも近づくこともできなかった。

盗賊:ふん、まぁ及第点だな。

剣士:え?

ひょっとしたらたどり着くかと思ったが、仕方ないな。

スッと二人の目の前にいって謎をかけるように言った。

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盗賊:一つ訂正しておこう。確かに俺は龍の力を使えるが、人間に向けて使ったことは一度もない。

女剣士:ま、待って!って事はアンタの人間離れした身体能力はどうなってるのよ!?

盗賊:さぁな。

クルっと背を向ける。

女剣士:さぁなって・・・本当ににん・・・あ・・・。

ハッと口を押さえるが、言いたい事はよく分かる。

盗賊:クク、『本当に人間か?』そんなことはどうでもいい。

ヤツには借りがある。俺はそれを返しに行くだけだ。








??:帰ってきて、くれますか?

背後から声がした。

驚いて振り向く二人とは違い、俺は動じずに答える。












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盗賊:ほぉ、狸寝入りだったか。俺を欺くとはなかなかやるな。

それ以前にコイツが俺に追いつけるわけがない・・・さては石使いやがったな。

シスター:ごまかさないでください。



・・・思えばコイツがすべての始まりだった。

あの日、死にかけだった俺を助けたコイツ。

それさえなければあのまま静かにのたれ死んでいただろう。



ま、そんなことはどうでもいい。


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シスター:行くんですね。


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盗賊:ああ。止めるか?


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シスター:止められるなら。

この妙な言い回しが実にコイツらしい。





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盗賊:そうか、なら諦めろ。

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シスター:死ぬつもりですか?

盗賊:・・・。



かつて俺がコイツに聞いた言葉。

半ば自棄になっていたコイツを強引に生かしたのは、頼まれたとはいえ、俺だ。

もっとも、この質問に俺がイエスと言ったところでコイツが何かする事はできない。

故に、適当に答えればいい質問。



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盗賊:いいや、夜には戻る。

いつもの口調で、そして本心で答えた。




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シスター:では、夕食は豪華にしますね。

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盗賊:ああ、頼む。・・・おい、呆けているな。

剣士:え?・・・申し訳ない。

女剣士:え、えっと・・・この方は・・・?

盗賊:そろそろいく。・・・おいお前ら。

質問に答える必要はない。

剣士:え?

盗賊:観戦できると思うなよ。迷惑だ。

剣士:・・・分かった。

意味は伝わっただろう。

盗賊:じゃあな。

 

 

 

 

 

 

 

 



後は嘘にならないようにするだけだ。

 

 

 

 





教会周辺は闇の力で溢れかえっていた。

常人ならこの瘴気に触れただけでも発狂する。

だが、あいにく俺は常人で括れるような人間じゃない。

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盗賊:・・・。

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暗黒の魔法使い:クク、やはり立ちはだかるのはお前か。

ゆらりと教会の屋根の上に現れた。


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盗賊:まぁな。と言っても俺は借りを返しに着ただけだ。

暗黒の魔法使い:本当に残念だ・・・どちらかといえば貴様はこちら側の部類であるが故にな。

盗賊:・・・。

暗黒の魔法使い:お前とて憎かろう?人間が。何故貴様ほどの化け物が盗賊程度で満足しているのか理解できぬ。

盗賊:理解されるつもりもないな。

暗黒の魔法使い:どうだ?我と手を組まぬか?

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盗賊:・・・なかなか愉快な提案をするじゃないか。

暗黒の魔法使い:貴様と我が手を組めば敵など世界はもう思うままだ。

盗賊:あいにくそんな事には興味ないんでね。金があったところで人を支配したところで俺は満たされない。



盗賊:支配?征服?そんなものは俺の夕飯に劣る。



暗黒の魔法使い:残念だ・・・我の力を見誤っているわけでもあるまい。

盗賊:関係ないな。・・・どちらにせよ決まるときは一撃だ。

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暗黒の魔法使い:死体は有効に活用させてもらうよ。実に優れた身体だからな。

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盗賊:出来ればいいけど、な!!!

ドォン!と全身にチャクラがめぐる。

かつてヤツと対峙したときにめぐらせた竜の力。

しかし、前回とは比べ物にならないエネルギー量である。

暗黒の魔法使い:・・・なるほど。すでに唱えてきたか。もはや人の次元を超えている。

驚くのも無理はない。

あの時はいくつもの条件が重なって全力を出すことが出来なかった。

一つはあの時唱えられなかった限定解除。

普段押さえ込んでいた竜の力の枷を外す言葉。

もう一つは、近くにいた人間達。

客席が近すぎて本気を出せなかったし、守る必要があった。

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盗賊:今度は違う、盗りに来た・・・!盗られたモノを盗りに来た!!


叫ぶ。あふれ出たチャクラを俺に収縮させる。

ダダン!と強く震脚する。大地がグラグラと揺れる。



暗黒の魔法使い:まぁ・・・貴様がどれほど力を隠していたところで無駄な事よ。

ヤツから強大な魔力が放たれる。

予想通りと言えば間違いないが、いざ目の前にしてみると・・・なるほどこれは世界が滅ぶ。

暗黒の魔法使い:では始めるとしよう。



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盗賊:───ッ!

ドォン!!!

放たれたのは黒い光の死の光線。

一直線に伸びる攻撃、横へと瞬時にステップしてかわすが、そのまま追いかけてきた。

的確に追いかけてきているわけではないが、光線そのものが太く誤差の修正はほとんど必要ない。




スパァンッ

暗黒の魔法使い:なっ・・・!!

仕方ないのでナイフで切り払った。


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盗賊:そう驚くな・・・よ!!

ダダン!と再び足を踏み鳴らしヤツの背後に移動しつつ、ナイフを投げつけた。

それは、ガキを助ける時に使ったようなケチな代物ではなく、昔からずっと使ってきた特別なもの。

パキンパキンと小気味いい音がしてヤツの幾重にも張られた障壁を破っていく。

しかし本体には当たらなかった。


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暗黒の魔法使い:馬鹿な!いとも容易く破れるような障壁ではないはずだ!

空間転移による攻撃の回避。

これがある限り簡単には当たらない。

そのままナイフは彼方へと飛んでいってしまった。



盗賊:あのナイフはな、特別なんだよ。



・・・竜の血がベッタリ染み込んだ特別製。

故にヤツの光線を切るという選択肢を取ることができた。

奥の手の一つだが、それでも面倒くさい障壁を破るために使った。

不意をつくために。

ダダン!弾丸のようにヤツへと突撃する。

素手ではあるが、この全身に纏う竜の力をヤツにぶち込めばそれなりに効くだろう。

空間転移にしろ障壁を張るにしろ魔法を唱える余裕はなかった。



ドカァ!



しかし、あろうことかヤツは身体で受け止めた。


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暗黒の魔法使い:クク、正直に言うと、龍の力よりも貴様自身の速さが厄介だった。

手ごたえはあるがこれは・・・!?

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盗賊:くっ、ダミーか!本体は・・・!?

ハメられた。何割かは演技だったのか。

暗黒の魔法使い:たいした威力だ。ダミーは完全消滅か、まぁいくらでも代えはあるがな。

声は、教会の中からだった。





暗黒の魔法使い:以前受けたあの技、少々真似させてもらおうか。

盗賊:なっ・・・!?














暗黒の魔法使い:受けろ・・・『ダークネスストーム』

ほどばしる黒い光の柱に俺は飲み込まれた。










続く(後編へ)。



 

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