2024.11.22 (Fri)
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2011.09.26 (Mon)
──────これはまだ暗黒の魔法使いが猛威を振るっていた頃のお話。
ある盗賊とシスターが出会ったことで始まったこの物語も、今回で幕引きです。
それでは皆さん、あと少しだけお付き合い下さい。
この日の出来事は町でちょっとした騒ぎとなった。
天にも昇る黒い光の柱を見ていた人間が結構いたらしく、まことしやかにうわさが流れていく。
国が総力を挙げて調べても、痕跡らしいモノは何もなかった。
ただ一つ。暗黒の魔法使いの脅威がなくなったという点だけが残った。
それを知っているのは私達とあの2人くらい。
あの日、あのお方は帰ってこなかった。
街でもあのお方の話は聞かない。
あの2人に聞いてみたところ、あのお方がどうなったのかは分からないとの事。
けれど、私宛の手紙を渡されていたらしい。
すぐに中身を改めた。
『盗られた土地は、確かに盗り返した。』
あのお方らしい言葉だった。
あの土地にあった教会は跡形もなく無くなっていたけれど、暗黒の魔法使いはもういない。
教会はまた建てればいい。そして子供たちと一緒に暮らす。
ブワっと涙が出た。
あの教会は確かに大切な場所だった。
でも、あのお方と子供たちと一緒にすごした時間は、それ以上に大切だったというのに・・・!!
数ヶ月後。
あの日であったお二方の援助もあって、建て直しの資金はすぐにたまった。
けれども、今度は教会ではなく、孤児院を建てた。
やっている事は教会だったころと変わりないけれど。
・・・そう、私たちの生活はあのお方と出会う前のものに戻ったのだ。
カンカンカンッ
孤児院の外で木の棒がぶつかり合う音がする。
子供A:だぁー!2本使ってもあんちゃんよりおせぇ!
子供B:1本でダメなら2本だ!いいアイデアだと思ったのにねー。
子供A:結局基本の型はあんちゃんが考えてくれたしな・・・。
子供B:一生勝てないね。僕たち。
子供A:勝てなくてもいいだろ。ここと姉ちゃんたちを守れればさ。
子供B:そうだね!
楽しそうに、けれど真剣に強くなろうとする二人を見てうれしくなる。
今日は少し夕食を多く作ってあげようか。
子供C:お姉ちゃん。皮むきできたよ。
シスター:ありがとう。机の上においてちょうだい。
子供C:うん。・・・お姉ちゃんなんかうれしそう。
シスター:うふふ、わかる?
この子もあのお方によって大きく変わった。
いったいどんな方法なのかわからないけど、盲目のハンデを克服した。
曰く、見えないけど分かるらしい。
以前のような危うさはまるでなく、一人で買い物にさえ行かせられるほどだ。
それからは、こうして積極的にお手伝いをしてくれる。
シスターoO(違うわね・・・昔以上に幸せな生活になった・・・)
以前のような土地の力もほとんど感じられない。
まるで、あのお方が盗んでいったかのようだ。
それからもずっと、あのお方の話はまるで聞かない。
人々は徐々に忘れ去っていく。
けれど、私たちは伝えていきましょう。
表舞台に立たなかった英雄を。
盗めぬものなど何もない。
世界さえも盗り戻す。
悪名高き大盗賊。
その名は・・・
~終~
あとがき
いやー書き終わりました。自己満足の結晶ですはい。読む人いるのかな。
しかしひょっとしたら昔から常連です。という方や一話から読み返してくれてたりする人がいると信じます。
特に前者の皆さん、本当にお待たせしました。
というわけで、この物語について話していこうと思います。
第一話を投稿した当時、英雄職の先駆けである、アランが実装されました。
『暗黒の魔法使いと戦った5人の英雄』という設定を聞いて、残りの職について話題が盛り上がりました。
すぐに情報が公になったのは、エヴァンでした。竜とともに戦う彼らです。
次のデュアルブレイドについて公になるのはもう少し後ですが、
次は盗賊が来るという不確定な情報だけ耳にしました。
竜と盗賊。
これが、この物語の主人公の誕生秘話でございます。
舞台は『5人の英雄が現れる前』として、なんらかの関連性を持たせたいと思いました。
結果は微妙な形になりましたが、原作へと繋がる十分な可能性を残せたと思います。
想像してください。れっついまじん。
団長の故郷が滅んだ原因や、死体のなかった娘が生きている可能性。
盗賊から技を教わった子供たちが、後に成長してデュアルブレイドになる可能性。
他にも色々あります。
二つ確定事項としまして、盗賊は死に、暗黒の魔法使いは生きております。
蹴り飛ばさなければ完全に倒せたのではないか?と思った方がいると思うので。
理由は、ここで暗黒の魔法使いを倒してしまうと、その後の原作シナリオがおかしくなるからです。
まぁツッコミどころはいっぱいあると思うんであら捜しと追求はほどほどに・・・w
後は盗賊とシスターの生活を書こうか迷いましたが、
ベストエンドとはいえませんが、読者の皆さんの心に何か残ってくれれば僥倖です。
長々と書きましたがここまでお付き合いしてくださった方、本当にありがとうございました。
次回作がもしあればながーーーーい目でまた見守ってやってください。
今日はこれにて。