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2024.11.22 (Fri)
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2010.01.12 (Tue)
2010.01.12 (Tue)
この物語はフィクションです。
全てはメイプルストーリーの世界観を基にした架空の物語です。
──────これはまだ暗黒の魔法使いが猛威を振るっていた頃のお話。
人々が暗黒の魔法使いの恐怖に脅えるこの時代。
一人の盗賊がおりました。
彼はとても腕の立つ盗賊で、暗黒の魔法使い程ではないが、とても有名な大盗賊でした。
彼に手に入れられないモノなど無いとさえ言われました。
今日もまた・・・お宝を狙って世界を巡り・・・、
盗賊oO(いてて・・・しくじった)
初めて致命的な失敗をしてしまいます。
盗賊oO(マズい・・・早く止血しないと・・・)
今回はいつもより攻撃が激しく、かなりの重傷を負ってしまったのでした。
それでも宝を持って追っ手を振り払い逃げ切ったのは、やはり大盗賊と呼ばれる者でした。
しかし、彼も不死身ではありません、ついに倒れてしまいます。
盗賊oO(やばい・・・意識が・・・)
意識が途切れる手前に彼が見たのは、
盗賊oO(・・・天使?)
って事はここで俺は死ぬのか・・・いやでも天国なんかにいけるような人間じゃないし・・・
そんな事を考えながら、盗賊は目を閉じた。
盗賊oO(・・・ん?)
子供A:お、おいコイツ起きるぞ!急いでシスターさん呼んで来い!
子供B:う、うん。食べられない様に気をつけてね。
子供A:アホー!こんな時に怖いこと言うなよ;
ガタガタ、ゴトゴト。
周囲の喧騒に促され、盗賊は目を覚ました。
盗賊oO(あれ・・・生きてる・・・?)
起きた場所も地面ではなくベットの上。
身体を見ると、傷の手当てがされていた。
手に入れた宝も懐に入っている。
シスター:目が覚めましたか?
盗賊:・・・ここはどこだ?何故、俺はここにいる?
シスター:町外れにある小さな修道院です。近くで倒れていたので運びました。
盗賊:お前は誰だ?
シスター:この修道院を開いているシスターです。
子供A:や、やぃ!助けてもらっておいて何様だっ。
シスターの影に子供が隠れている。
盗賊が視線を子供に移すと、
子供A:ひぃ!
子供B:ど、どうしよう、お宝見てたの怒ってるんだよぅ。
子供A:あ、コラ!しー!しー!
シスター:あなた達、ちょーっと部屋から出て行ってくれる?そうしたら聞かなかったことにしてあげます。
子供AとB:は、はーい!!
ダダダダダッ
子供BoO(あ、ドア閉めないと)
ガチャ。
シスター:まったく・・・怪我人の前で騒いじゃって・・・ほんとすみ───
盗賊:俺の事は知ってるな?
シスター:・・・。
シスターの言葉を遮り、盗賊は聞いた。
その沈黙は肯定を意味していた。
盗賊:何故助けた?
シスター:では逆に聞きます。貴方は死にたかったのですか?
盗賊:さぁな、だがその方が良かったかもしれん・・・で、この悪人を何故助けた?
返答によっては、身体には酷だが急に逃げようと考えていた。
しかし、その返答は彼の予想を超えるものだった。
シスター:・・・いけませんか?
盗賊:・・・え?
シスター:そこに死に掛けてる人がいるのに、理由がないと助けちゃいけないんですか・・・っ!!
彼女は泣いていた。
なんてことはない、ただ助けれる命だったから助けただけ。
シスター:・・・正直助からないと思いました・・・生きてくれて本当に良かった・・・っ!!
盗賊:な、泣くなよ・・・悪かった、悪かったから。
彼は内心驚いていた。
自分が死ぬ事に対して泣いてくれる人がいるとは思わなかったから。
盗賊oO(やれやれ・・・逃げそびれてしまったな・・・)
中々泣き止まないシスターに謝りながら、この先どうなるのだろうと思案にふける盗賊だった。
シスター:・・・見苦しい所を見せてしまいました。
盗賊:いいや、構わない・・・ん?
コンコン
ドアがノックされた。
盗賊:・・・さっきの子供か?
だとしたら正直面倒くさいなと思いました。
シスター:いいえ、あの二人はノックしませんから。いいわよ、気をつけて入ってきなさい。
盗賊oO(「気をつけて?」)
盗賊:・・・とって食ったりはしないぞ?
シスター:え?い、いえ、そうゆう意味じゃなくて・・・すぐに理解できますよ。
ガチャ
盗賊:・・・成程な・・・。
盗賊は小さな声でつぶやいた。
入ってきたのは女の子だった。
だがその女の子は、
盲目だった。
杖を使ってうまく歩いているが、危なっかしい。
子供C:し、失礼しますです。二人が木から下りれなくなっちゃって・・・
シスター:まったくもう、これで一体何回目よ。
子供C:ご、ごめんなさいです。
シスター:貴方が気を病むことは無いのよ。ここに座ってなさい。
シスターは椅子を取り出し、女の子をチョコンと座らせた。
子供C:その、どうするんですか・・・?
シスター:今から助けに行ってくるわ。その間ここにいてね。
子供C:は、はいです・・・行ってらっしゃいですおねーちゃん。
シスター:すみませんがその子をお願いします。
盗賊:あ、あぁ。
そう言って、シスターは部屋から出て行った。
子供C:・・・。
盗賊:・・・。
今一緒にいる女の子は目が見えないのだから逃げるにはもってこいである。
だが、まるで逃げるとは思ってない様な彼女の発言に戸惑っていた。
・・・いや、事実思っていないのだろう。
彼女にとって俺はまだ重傷者であり、動ける身体ではないのだ。
盗賊は完治こそしていないが、すでにそれなりに動ける体力まで回復していた。
しかし、盗賊は何故か逃げる気が起きなかった。
女の子の方を見てみる。
盗賊oO(・・・まったく、俺がこの子を人質にしたり攫ったりしたらどうするんだ?)
子供C:・・・?
盗賊oO(もっとも、そんな三流のような行為を俺がするわけないのだが。)
はぁ、とため息をついた。
盗賊:おい。
手持ち無沙汰になったので女の子に話しかける事にした。
子供C:は、はいです。
盗賊:嫌だったら答えなくても良い。お前は何故目が見えないんだ?
子供C:い、家がモンスターに襲われて、モンスターの血をかぶってしまったんです。
盗賊:そうか・・・すまなかった。
子供C:だ、大丈夫ですっ!い、生きてますからっ!
───正直助からないと思いました・・・生きてくれて本当に良かった・・・っ!!
彼女の言葉を思い出す。
盗賊:まったく・・・随分なお人好しに助けられてしまったな。
子供C:で、でもシスターは悪い人は助けませんです。
盗賊:・・・は?
何を言ってるんだこの子は。
盗賊:おいおい、俺は世界でも指折りの大盗賊だぞ?俺が善人なら殆どの人が善人じゃないか。
狙った宝は全て手に入れてきた。
首には多額の賞品さえかけられている。
盗賊:今だって身体が治ったらすぐにでも逃げるつもりだ。お前を人質にするかもしれない。
嘘だ。完璧ではないがすでに動けるし、人質なんて必要ない、ただの脅しである。
しかし、女の子は更に驚く事を言った。
子供C:・・・でも、おにいさん優しいですよね?
盗賊:俺が優しい?笑わせるな。お前良くそんな事が言えるなっ・・・!!
子供C:だ、だって!モンスターはもっと怖かったですよっ!
盗賊:・・・っ!!
感極まってか女の子が立ち上がって声を張り上げる。
子供C:止めてって言っても聞いてくれませんでしたっ。
子供C:私は目だけで助かったけど、誰もいなくなりました・・・きゃぁ!
盗賊:!!!
杖を使わずに立っていたからか、バランスを崩してよろけてしまう。
フラッシュジャンプ!
ギュッ
女の子が転ぶ手前で、なんとか抱きしめて支える事に成功した。
盗賊:おい、大丈夫か?
子供C:えへへ・・・やっぱ優しいですね。
盗賊:なっ!
子供C:嫌だったら答えなくていいと気を使ってくれました。謝ってくれました。とても嬉しかったです!
盗賊:・・・。
シスターといいこの子といい、訳が分からない。
しかも、どうやら懐いたらしく・・・
子供C:わー長いです~さらさらです~。
盗賊:おい、髪の毛いじるな。
振り払うと多分転ぶだろう、どうしようかと悩んでいると、
ガチャ
ドアが開いた。
シスター:すみません、お待たせしまし・・・え?
盗賊:こ、これはあれだ・・・
思わず言い訳口調になってしまう。
そんな彼を見て、くすくす笑い、
シスター:珍しい、その子が私以外の他人に懐いたのは初めてです。
その笑いが何故か悔しかったので、
盗賊:・・・この子を攫って逃げようとしてた、と言ったらどうする?
子供C:そんな事されてな・・・むぐ。
手で口を覆った。
シスター:だったらすでにここはもぬけの殻になってたと思いますけどね?
・・・その通りだった。
シスター:さてと、二人とも渡したいものがあるんでしょ。
子供A:だ、だけどさー・・・シスターから渡してくんない?
子供B:うんうん。
シスター:ダメ。自分達でちゃんと渡せたらさっき騒いだ事は不問としてあげますよ。
子供A:うー・・・仕方ない、行くかー。
子供B:うん・・・。
子供A:お、おっす。
子供B:ど、どもー。
シスターの後ろからさっきの二人組が出てきた。
盗賊:一体何の用だ?焼いて食っちまうぞ。
子供A:お、脅しても無駄だぞ。転ぶ所助けるのをコイツが見ちゃったからな。
子供B:い、一瞬消えたかと思ったよっ!
盗賊:・・・で?
子供A:これやるよ。
子供A:腹、減ってると思ってさ。
子供B:高く登りすぎて降りられなくなっちゃったけどねっ!
子供A:アホ!せっかく格好良く決めれる所だったのに!
子供B:ええええ、痛いよ;;ほっぺつねらないで~;;
盗賊:・・・。
子供A:や、やっぱ肉のが良かったのか?
子供B:やばいよ、焼いて食べられちゃうよ。
盗賊:さっきのは冗談だから安心しろ。それと・・・
ここで、言うべきか言わざるべきか少し迷ったが、
盗賊:感謝する・・・ありがとう。
続く。
→第二話へ。
あとがき。
ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
そしてすみません。1記事じゃ終わりません、続きます。
イベントのネタを考えていたら、思った以上にシナリオが良く出来てしまい、こうして書いてるわけです。
ゲーム内イベントで表現できたのは本当にわずかだったので、ある意味このお話が真のイベントかもしれません。
優しい方応援とか感想とかお願いします。励みになるので。
それでは。
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