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製造元・・・ぽぷら。ゆる~くメイプル、だが譲れぬ一線がここにある。
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2024.04.20 (Sat)
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Updated   
2010.01.19 (Tue)


この物語はフィクションです。

全てはメイプルストーリーの世界観を基にした架空の物語です。




─────前回までのあらすじ。


2978bf9f.png





変装して町へと繰り出した盗賊。

強引に勧められて渡されたアイスクリームを食べつつ、町をぶらぶらしていると、

道端で行われている競り市に遭遇しました。



貴重な品物が安く買えるという事で住民たちは大いに盛り上がります。

そして、いざ商品が取引されると言う所で、盗賊が言いました。



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─────これは贋作だ、と。







先ほどまで盛り上がっていた熱気が、一瞬にして冷めた。

住民達も、行商人も、皆が盗賊の事を注目していた。

行商人:・・・おいにいちゃん、流石にそいつぁ笑えねぇぜ。ふざけてんなら帰りな。

営業妨害だろ、と睨みつける。

しかし、その視線をさらりと受け流し、淡々と告げた。

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盗賊:ふざけてなんかいない、贋作さ。それに営業妨害するつもりもない。

俺如き気にせず売りつければいいだろう?そう言って笑った。

目に見えた挑発だが、流石に乗らない訳にはいかない。

行商人:いるんだよなーたまによぉ。そうやっていちゃもんつけて値を落としにかかる奴がね!

商品を売りつけ損ねてしまい、非常に苛立っているようだった。

盗賊oO(・・・だろうな。だからこそ良い夜までの暇つぶしになる。)

日没まで町をぶらつくのは正直な所、退屈だと思っていた。

少々ギャラリーが多いけど、これもまた一興だ。


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盗賊:・・・だから営業妨害じゃないといっている。俺が言いたいのは、その二つが贋作だと言う事だけだ。



行商人:それが営業妨害だっつってんだよ!



確信犯である。

すでに、競り落とした住民も含めた住民達は、成り行きを見守る状況へと移行していた。

と言うより、知識無き人間が口を挟めるような会話ではなかった。



行商人:いいだろう!なら贋作だと言う証拠を示してみろっ!



盗賊:良いのか?間違いなく買い取ってくれなくなるぞ?



行商人:お前がいちゃもんつけた段階で白黒つけねぇ限り売れねーよっ!!



それもそうか、と納得する。

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盗賊:・・・では、始めようか。

行商人:・・・っ!

キッと真っ直ぐに行商人へ視線を向ける。

彼の暇つぶしが、ここに始まったのだった。










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盗賊:なるほどね。

行商人:ハン!これで分かったか!

勝ち誇る行商人。

入手経路、鑑定人、格安で売る理由などを聞いて、彼は納得した。



盗賊:入手経路に不自然は無く、鑑定書も確かにあった。

盗賊:それに、旅費がやばいから安くても金にしたいってのは納得がいく。



行商のメリットは地域によって安いモノを購入し、高いものを売る事にある。

例えば、港町なら『塩』が安く手に入る。

それを『塩』の手に入れにくい山村で高く売りつければ、その差額分が手元に入る寸法だ。

まぁ、今回の行商人は資金不足と言うことで随分と赤字出費のようだが。

行商人:分かったらさっさと詫びろってんだ!!

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盗賊:やれやれまた勘違いだ・・・それに、結論を早まるな。

この、訳の分からない余裕と鼻で笑った態度が実に気に食わない。

怒りのボルテージがどんどん上昇していく行商人。

行商人:お前何を言って・・・っ!!

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盗賊:納得したのはお前に対してだ。お前、目利き出来ないんだろう?

行商人:!!!!

反応を見ずとも、目利き出来ないと確信していた。

販売文句も、鑑定書も、大方手に入れた時の受け売りだろう。

盗賊:本物だと言う証明が全て他人任せじゃないか。自分の売る商品はちゃんと把握しておいた方が良い。

行商人:・・・グッ!

悔しそうに押し黙る、怒りで身を震わせて。

周囲の住民達がザワザワと騒ぎ出す。

結局どっちの言ってることが本当なのか分かりかねているようだ。



行商人:やるじゃねぇかにいちゃん・・・でもな!だからと言ってこれらが贋作だと言う証拠にもならねぇぜ!?


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盗賊:・・・その通りだ。

どうやらこの行商人、決して馬鹿ではないようだ。

突きつけられた2つの品物。

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盗賊oO(・・・待ってました。)

正直、今までのは彼にとって前座である。

彼の真骨頂は、ここからだった。



行商人:こんな素性も分からん奴より、まだ鑑定書の方が信用できると思いませんか?!

ねぇ皆さん!と声を張り上げる。

・・・住民達に自分の方が信頼できると言うアピールか、実にくだらない。

ワーワーと騒ぎ出す全員に対し、ポツリと彼は言った。




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盗賊:『天使の喜涙』は幸福が舞い降りるのではない、身に付けた人間を呪いから守るのだ。



全員:!!?!?



盗賊:それに、本物はこんな濁っていない。もっと澄みきっている。



すらすらと言い切る彼に全員が驚愕した。



盗賊:『暁の耳飾り』についてはもっと酷い。本物は黄色ではなく赤く光る。

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盗賊oO(そう、本物はもっと美しい・・・っ!!)

彼は思い浮かべた。

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贋作とは比べ物にならない強い輝きを放つ本物達を!



シーンと静まり返った。

長い沈黙の後、それを破ったのは、行商人だった。

行商人:まだだ・・・まだだぜ・・・にいちゃん!!

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盗賊:ほぉ、存外粘るな。

次で決着だがな、と内心では思っていた。



行商人:にいちゃん自身がまだ信用できねえ!!


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盗賊oO(ま、こうなるよな)

盗賊:つまり、俺の言ってる事が本当なのか証明しろと言いたいんだな?



行商人:あぁ・・・!!口から出任せ言ってるかもしれねえだろ?!



そんな事出来るわけねえよな?あぁ!?と問い詰めてくる。

所詮彼も品物の珍しさに集まった人間の一人であり、つまりは一般人である。

如何にうんちく語った所で実績は何も無いのだ。



だが、彼は一般人ではない・・・盗賊だ。



世界でも有数の大盗賊なのだ・・・っ!!



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盗賊:では証明してみせよう。

行商人:・・・なんだと?

そんなバカな、と言う顔をされた。

ギャラリーは非常に興味を示している。

盗賊:悪いが、そこに置いてあるティアラを取ってくれないか?

そう言って、一つの装飾品を指した。

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盗るなよ、と念を押されつつティアラを受け取る。

渡されたティアラを隅々まで確認し、聞いた。

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盗賊:これは一体どこで手に入れた?

行商人:あぁ?旅の道中で通った砂浜に落ちてたんだよ。汚い色してるけど売れるかもしれないと思って拾ったんだ。

心底嫌そうに説明をする。

行商人:水で洗っても綺麗にならないし、正直お荷物さ・・・それがどうしたってんだよ?

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盗賊:お前・・・そんなヒント貰っておいて気づかなかったのか?

ちょっとすみません、と近くにいた住民に一言二言お願いする。

頼まれた住民はパタパタと走っていった。

行商人:お前何言って・・・



盗賊:これは洗った程度じゃ駄目なんだよ。海水につけていなければ意味が無い。



この行商人は超強運だったといわざるを得ない。

・・・これは相当貴重な一品だ。

行商人:・・・?

馬鹿なのか利口なのかイマイチ分からない。

説明を始めた。



盗賊:このティアラは『海鳴姫の微笑み』という・・・あ、すみません。



パタパタと頼み事をした住民が戻ってくる。

手には、水の入った鍋を持っていた。

盗賊:えぇ、充分です・・・まぁこれは見てもらった方が早い。

チャポン、とティアラを鍋の中に入れた。

すると、


cc8343ed.png



ティアラの色が変わり、淡く発光し始めた。

おおおおお~!!!!という住民たちの歓声が沸いた。

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盗賊:海水は用意出来ないから塩水を代用している・・・多分前の持ち主は海に帰そうとしたんじゃないか?

行商人:そ、そんな・・・

信じられないと言う行商人の顔。

すでにガクガク震えている行商人に対し、彼はトドメを刺した。


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盗賊:まだ不満か?なんならそこに並んでる珍品と装飾品全部の真贋を見極めてやるぞ?

行商人:ひ、ひぇぇあきまへん;;もう勘弁してくだせぇ;;




ぺこぺこと頭を下げる行商人。

おおおおおおおおー!!と盛り上がる住民達。

だが、その中一人、

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盗賊oO(・・・し、少々目立ちすぎだな・・・)

貴重な宝を見れて浮かれてしまった自分を反省するのだった。






続く(第八話へ)。

なかがき2

まさかのなかがき2です、やっぱ長くなってしまった;

第7話は相当分かりにくいですが、色んな町からいける『あそこ』についてです。

といっても、随分と濃い設定の下で書いてしまい、意味不明という方もいるかと思われます^^;





前回のお話に対するコメント読ませて頂きました!

真剣に返事してくれてとても嬉しい限りです!

なので、もう少しお話が楽しくなるヒントを。



6話と7話にはアフターならぬサイドストーリーの為の伏線が用意されています。

理由は、本編に絡めづらいけど書きたいシナリオがあるからだったりします。

結構候補があるので「うーんこれかなー?」と悩みつつ、本編も楽しんでいただけたらいいなと思います。



スノちゃん、愛盗賊#@さん、たきゃひろさん、ときさん、KYOUさん。

コメントありがとうございます!

そして相変わらず個別返事しなくて申し訳ないです;

俺の返事は小説の更新と考えていただけると救われます;;




ではまた第8話でお会いしましょう。




今日は、これにて。
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更新お疲れ様です♪
いやいや、意味不明なんて事はありませんよ!
6話との流れでこの7話がすごい楽しく読めましたよ(笑)

商人と盗賊の問答は「良く出来てるなぁ~」と感動すら覚えます。


ふむ、この分かれ道のある町は「リス港」なんですかね?

見方を「メイプルストーリー内」として見るのか「メイプルストーリーとは別世界」と見るかによっても変わるんでしょうけど...........(^_^;)

さて、シスターと子供達とどう絡んで行くのか、楽しみですな~(-∀-)


愛盗賊#@ 2010/01/19(Tue)21:11:29 編集
なるほど
何かの伏線なのですね。。。
楽しみです。

行商人さんは、そんなに悪い人では
無い様子です。

>ひ、ひぇぇあきまへん;;もう勘弁してくだせぇ;;

江戸となにわの融合です。
きっと全国を廻りながら商売してるのでしょう。
彼の苦労が偲ばれます。

盗賊さん以外とお宝好きなのですねw
とき 2010/01/19(Tue)21:44:09 編集
Re:
>愛盗賊#@さん

設定が、暗黒の魔法使いが猛威を振るっていた頃なので、リス港っていうかビクトリアアイランドが存在しません。

んーイメージ的には貴族の圧政に苦しむ少し寂れた町といったところです。

思った以上に変装編が長くなってしまい、シスターの登場が遅れております^^;

そろそろ出てくると思うんで気長にお待ち下さいb

では、次回をお楽しみに^^


>ときさん

ぅぉ;;慣れない言葉使ったからボロが出た;;

やめてw変な推測しないでぇ><恥ずかしすぎるっ!

方言勉強しないといけないかも;;

しかし指摘が鋭い。
あまりに鋭いのでちょっと補足。

彼が嫌いなのは宝ではなく貴族です。

まぁ3話でネックレス投げてますけど、アレはどっちかっていうと癇癪起こしての八つ当たりです。

(い、言い訳苦しい;;)

でも今回盗賊が宝物を見て浮かれた理由はちゃんとありまして、その点については8話で書く予定です。

ここで書いてしまおうか迷いましたが、ちょっと考えがあるので。

ヘタクソな小説ですが、このコメントも含めてまた見に来てくれると嬉しいです;;
はなび 2010/01/19(Tue)22:38:21 編集
無題
ちゃんと題材がメイポっていうのがわかりますな!

この伏線がどう生きるのがかが楽しみですw
mぽ 2010/01/20(Wed)01:44:00 編集
無題
意図的な表現と思いました。
何度も読み返すうちに、あんな妄想が・・・
お気に障ったなら申し訳ありません。
読者とは勝手なものですので、ご容赦を。

>ヘタクソな小説ですが

冗談ですよね。
出版していただければ買いますよ。
とき 2010/01/20(Wed)12:29:42 編集
無題
続きが楽しみです。
KYOU 2010/01/20(Wed)15:36:43 編集
無題
どうも。初コメさせていただきます^^

自分も1話から読ませていただいています

自分はメイプルストーリーを使った物語(ブログ)を読んだことは多々あるのですが、文も読みやすいし、とても面白いですね!

この物語いつも楽しみにして待ってます!

今後の展開がとても気になります><
ラースン 2010/01/20(Wed)19:08:22 編集
Re:
>むぽくん

コメントありがとうb
まぁ、小説の内容・・・随分と偏ってるけど^^;

これが完結したら多分1月が終わるから2月入ったらイベントやって動画作って・・・メイプル内活動少なっ!!w

また見に来てねー^^

>ときさん

ちょ、何度も読み返すって・・・嬉しいけど恥ずかしいっ!!wwww
いやいや、楽しんでもらえてるようなので嬉しい限りですよb

んー・・・文だけではなくキャラのSSによるイメージの補正をいれてるのが効果を発揮してるんだと思います。

っていうかそれ褒めすぎですよ!w

完結したら読みやすいように一まとめにしようかなぁ^^

>KYOUさん

頑張りますb
色々とイメージしつつ気長に待っててください^^;

>ラースンさん

初コメありがとうございます!
お褒めの言葉ありがとうございますっ!

しかし他のブログの方の物語とは・・・見たいような見たくないような・・・www

せいぜい『初心者物語』くらいですねー・・・って知ってるのかな・・・??

一生懸命書くのでわくわくしながら待っててくださいb

次回をお楽しみにw
はなび 2010/01/20(Wed)20:29:07 編集
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