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2024.11.22 (Fri)
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2010.01.25 (Mon)
2010.01.25 (Mon)
この物語はフィクションです。
全てはメイプルストーリーの世界観を基にした架空の物語です。
──────これはまだ暗黒の魔法使いが猛威を振るっていた頃のお話。
貴族嫌いの盗賊と、
孤児を養うシスターの出会いから生まれた物語。
今日の話はいよいよ佳境へと向かいます。
いつものように精神の集中を始めた。
集中とは、一つの事しか考えないのではなく、余計な思考を消す事だと思っている。
でなければ思考の融通が利かなくて不意を突かれる、ネックレスの時のように。
盗賊oO(・・・よし、良い感じだ。)
体調は完璧だった。
目の前に広がる大地を見る。
今回の目的は狩りであり、世界そのものが狩場だった。
見つけたモンスターを全て一閃してやろうと考えた。
・・・誰よりも速く、この世界を翔け抜ける自信があった。
盗賊:ハッ!!
形容しがたい異常な速度で飛び出す。
険しい山を、荒野を、疾風となって翔け抜ける。
その際先ほどの考え通り、見つけたモンスターを一閃していく。
止まってはいけない、1体切ったら次へ、また次へと向かう事。
全ては一連の流れに連結させるのだ。
・・・しかし、モンスターに違和感を覚えて身体を止めた。
盗賊oO(おかしい・・・静か過ぎる・・・)
いつもより、モンスターの数が少ないように感じたのだ。
切り捨てたモンスターの種類は物の数だが、どいつも普段のような野生の鋭さがなかった気がする。
盗賊oO(今日は・・・満月か、ますますおかしいな。)
夜空を見上げて疑惑が広まる。
月は魔を宿すと言われていて、特に満月の時のモンスターの荒れ様は凄まじい。
もっとも、だからこそ良い特訓になると考えていたのだが。
盗賊oO(少し、調べてみるか)
今までのように速さによる奇襲を止めて、モンスターを調べる事にした。
気配を断ち、自然に溶け込んでモンスターの様子を見る。
それで、何体かモンスターを見ていてすぐに気づいた。
盗賊oO(どこかに向かっている・・・?いや、これはむしろ・・・)
疑問を確信に変える為に、様子を見ていたモンスターの内1体に姿を現してみる。
だが予想通り、襲ってくる事はなく完全に無視して進んでいく。
盗賊oO(間違いない、操られているな。)
どれほどの呪縛か確認してみる。
ギラッ!!!
本気で殺気を送ってみた。
ビクンッとモンスターが反応したが、殺気で硬直してる間に一閃した。
一応、わずかに野性の本能は残っていたようだが操作の強制力に勝てなかったとみた。
おそらく、こちらから仕掛けないと襲っては来ないだろう。
盗賊oO(さて、どの位の規模で操られているんだ?)
おそらく、操られているモンスターはここだけじゃないだろう。
今のところ全てのモンスターが操られていた気がする。
ざっと世界中を駆け巡ってみたが、9割以上のモンスターが同じ方向に向かっている。
こんな事、人間に出来る技じゃない。
盗賊oO(って事は暗黒の魔法使い絡みか・・・かなり面倒だな)
・・・その一味とは一度話した事がある。
仲間にならないかと言う話だったから断っただけ。
もっとも、しつこく勧誘してきた連中は叩きのめしたが。
盗賊oO(・・・しかし、一体これだけのモンスターを操って何をするつもりだ?)
町でも襲うのか?いや町とは限らない。
襲うなら貴族の館にした方が金銭面的には美味しい。
だが、それならばここまで多くのモンスターを必要としないだろう、これだけ数がいれば国が落とせる。
盗賊oO(せめて、どこに向かってるかだけでも確認するか。)
操られているモンスターと同じ方向に進んでいった。
盗賊oO(・・・で、なんでここなんだよ・・・っ!!)
途中でモンスターたちのゴール地点に気づいてしまった。
間違いなく、あの修道院を目指してモンスターが進んでいる。
盗賊oO(って意味が分からん。何故アイツを狙う?)
修道院の中はあらかた見たが、目ぼしい物は何もなかった。
奴にとってはこれほどの数のモンスターを操る価値がある位の代物がある・・・?
そんなものを俺が見逃すはずが・・・ん?
子供A:そこ、木の幹があるから足引っ掛けるなよ。
子供B:もうちょっとで町だよ!がんばろー!
子供C:はいです!
修道院にいたガキ3人か・・・アイツがいないのが気にな・・・!!
盗賊oO(関係ない・・・っ!あんな狂人の事なんて気にするな・・・っ!)
しかし・・・この意味の分からない状況についてあのガキ達は何か知ってるかもしれない。
モンスターの合間を縫うようにして逃げている・・・襲われないのは修道院にモンスターが集中しているからか?
いずれにせよ面倒になりそうだが・・・状況を把握する為には仕方ない。
盗賊:おい。
子供AB:え・・・?ええええむぐっ!!!!
大声を出そうとした2人の口を手で塞ぐ。
子供C:ふえ?!・・・あれ?この髪・・・ひょっとして・・・?
盲目で状況を良く分かってないコイツを背負い上げ、
驚きすぎて硬直している2人に言った。
盗賊:今は動け。騒ぐな、泣くな、ボーっとするな。モンスターにぶつかったら死ぬのはお前等だ。分かるな?
子供AB:コクコク!
盗賊:だが勘違いするなよ。ここじゃ落ち着いて話せないから移動するだけだ。いいな?
子供達:コクコクコクッ!!
流石に3人は抱えられない・・・力ではなく体積の関係で。
ガキを引き連れモンスターをかき分けて進んでいく。
思ったより順調に進むことが出来たが・・・、
ドンッ!!
子供B:あう!
子供A:お、おい!早く立てって!
やはりそうは上手くいかなかった。
唸りを上げるモンスター。物理衝撃を受けると操作が解けるのだろうか?
その裏づけとして、ぶつかったモンスター以外は襲ってくる様子はない。
盗賊:・・・チィ!!
背中にくっついてるコイツのせいで、両手を使う事は出来ないし満足には動けない。
出来ることが限られたこの状況、迷ってる暇はなかった。
盗賊oO(投げるのはあまり慣れていないが、この距離なら問題ない!)
片手だけ自由にし、投擲用のナイフを何本も投げつけた。
ドスドスッとモンスターに突き刺さる・・・よし、急所に入ってくれた。
子供B:あ、ありがとう・・・あんちゃん!
盗賊:・・・喋る位ならもっと周りに注意を払え。・・・次は助けないからな。
その後、町に着くまでモンスターにぶつかる事はなかった。
・・・気づいていなかった。
別に話を聞くだけなら1人だけでも良い事に。
続く(第十一話へ。)
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