2024.11.22 (Fri)
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2010.01.23 (Sat)
この物語はフィクションです。
全てはメイプルストーリーの世界観を基にした架空の物語です。
─────前回までのあらすじ。
変装して町へと繰り出した盗賊。
夜までの時間潰しにと行商人相手に話をしていると、
遠目にシスターを発見してしまいました。
盗賊oO(落ち着け、何をそう焦る事があるっ!)
今の俺はいつもの格好ではなく変装しているのだ。
だから早々ばれる事ない・・・そう考えたが、すぐに改めた。
盗賊oO(しまった・・・顔の傷は誤魔化せない・・・っ!!)
傷の手当てをしたのはアイツだからすぐに気づくだろう。
気づかれない内にここから素早く離れようと決めた時だった。
行商人:あのシスターさんと知り合いで?
・・・アイツに随分時を取られていて現状を忘れていた。
どうやら俺の視線がアイツに向かってたのに気づいたらしい。
盗賊:・・・いや、少し目に入っただけだ。
行商人:おぉ!分かりまっせぇダンナ!アレだけ美しい女性ですもんねぇ!!
あまり大声を出すなと言いたくてしょうがないが、そんな事を言うと不自然なので止めた。
おまけにこうも俺に向かって話されていたら逃げられない。
目の前の馬鹿は俺の事を『お忍びで来た貴族』と思っているのだから。
行商人:しかし、あの女性はいつもいつも頑張ってやすねぇ!ホント尊敬しますわ!
あ、ダンナほどじゃありませんけど。と付け加えられたがどうでもいい。
だが、今の台詞には気になる部分があった。
いつも頑張る?一体何を?
盗賊:・・・あの女の事を知ってるのか?
このまま疑問を残しておくのは精神的に良くない・・・不本意ながら聞いてみる事にした。
行商人:へい、結構見かけやすよ。この町に来てそれなりに日数が経ってやすんで。
商売柄、人々の噂話に良く聞き耳を立てているのだろう。
まぁ、盗み聞き臭いが行商人にとっては重要な事だ。
盗賊:で、何か知ってるのか?
行商人:町外れにある修道院に住んでて孤児を養っているらしいっすわ・・・あ、ほら見てくだせぇ。
アイツに向けて指を差す。
それはちょうど、アイツが民家の戸を叩いている所だった。
出てきた住民に一言二言話して頭を下げている。
盗賊:アレは一体何をしているんだ?
この距離では流石になんて言ってるかまでは聞こえない。
行商人:んん~・・・孤児を引き取ってくれる人を探してるんじゃないかと思われやす。
なるほど良い読みだ。
訪問した理由がソレなら、合点がいく。
遠目からでも分かる位に強く戸を閉められていた。
盗賊:まぁ、無駄だろうな。
次の民家の戸を叩くアイツを尻目に言った。
行商人:そんなあっさり言わないでやってくだせぇ。孤児の為に同じ住民へ何度も頭を下げるなんて人そうはいないんで。
・・・諦めない精神は立派だが、こればかりは無駄だろう。
孤児を引き取ってくれる人を探す?そんなヤツいる訳が無い・・・むしろそんな物好きはアイツ位だ。
このご時世で満足な暮らしが出来てるのは貴族位で普通の住民にそんな余裕は無い。
子供3人は勿論、1人でもかなりの負担になる。
お人好しではなく狂人だと言い放ったが、本当に狂人じみてる・・・ん?
何かおかしい・・・あの行動には違和感がある。
盗賊:おい、何でアイツが孤児を引き取ってくれる人を探しているか知っているか?
行商人:へ?やっぱ生活苦しいからじゃないっすか?修道院なんて儲からないと思うんで。
それについて否定はしないが、決定打にはならない。
修道院の近くには果物の実る木がいくつもあった、だから食うに困る事は無いだろう。
逆に町で果物を売れば金にもなる。
だったら一体何故・・・?
しかし、思案にふける俺に信じられない一言が襲った。
行商人:そうだ!ダンナが孤児を引き取ってあげりゃあいいんすよっ!!
盗賊:?!?!
こりゃ名案だ!パチンと手を叩くコイツに軽く殺意が沸いた。
・・・もう少しで違和感に気づけそうだったのに。
もっとも、思考が吹き飛ぶ位には俺にとって強烈な一言だった訳で・・・クソ!
盗賊:なんでそうなる・・・そんな事出来るか!
平静を崩してボロを出すのはマズいのだが、つい感情的になってしまった。
次にどんな事を言われても落ち着いて対処するようにと心がける。
行商人:ええ~!ナイスアイデアだと思ったんすけどねぇ。
だが思った以上に聞いてこなかった・・・馬鹿で良かった。
盗賊oO(・・・さ、暇つぶしはもういいだろう。)
もうすぐ日が暮れる、一度着替えなおした方がいいだろう。
これ以上ここにいると余計な詮索されそうで良くない。
と思っていたら、意外な事にコイツから切り出してきた。
行商人:さ、アッシも明日の朝この町を出るんでなるべく売っておこうと思いやす!
荷物を軽くしておきたいのか・・・なるほど。
行商人:本当はもう少し滞在する予定でしたが、このティアラを海に放り込んでおかないといけないんで。
盗賊:そのまま次の町にって事か・・・なるほどな。しかしもう夕方だぞ?人が来るのか?
行商人:なぁに粘りますって!特に日持ちしない食料は安くしてでも売らんともったいないっすから!
盗賊oO(この商売魂だけは立派なんだがなぁ・・・)
贋作も本物だと思って売ろうとしてたから悪気は無かったのだろう。
もう少し知識を積めば巧い商売が出来るに違いない。
行商人:ではアッシはこれで!ダンナ!色々とありがとうございやした!!
盗賊:だからダンナって・・・もういい、じゃあな。
訂正した所で、もう二度と会うこともないだろう。
内心、この会話中にアイツがこちらに気づかなくて良かったと思った。
上機嫌で再び店を開く行商人を後にして、隠れ家へと戻る事にした。
夜。
隠れ家へと戻りいつもの服装に着替えた。
盗賊oO(これでよし、と。)
無造作に放り投げられたネックレスを見る。
それを拾い上げながら心中でつぶやく。
盗賊oO(お前が悪いんじゃないんだけどな・・・作られた理由が酷すぎる。)
それに、俺が手に入れた経緯も。
どうしてもあの修道院の事を思い出してしまう・・・いっそ売ってしまおうか?
盗賊oO(まぁ、ネックレスについては後にしよう。)
どちらにせよ、闇市の開催はまだまだ先だ。
ネックレスを机に置きなおし、改めて今日はどうするかを考える。
今寝てはさっきまで何の為に町へ出かけたのか分からない。
特に欲しい獲物も現状ではない。
盗賊oO(よし、少し鍛えなおそう・・・モンスターでも狩るか。)
結局は前回のに対する反省だった。
続く(第十話へ。)
書き直したあとがき
とりあえずすみません。
昨日この話を書いて投稿したのですが、
まさかの非公開に設定してた事に今気づきました!;;
楽しみにしてくださっていた方々ホントすみません;;
今日はこれにて;;