メイプル人狼物語・～0日目～

俺の名前は刹光花火という。刹那(セツナ)という友人から1文字貰って名づけられたと兄は言っていた。それにあやかり、皆にもセツナと呼んでもらっている。

普段はシグナス騎士団のストライカーとして様々な任務をこなしている。鉱石採集や各地に赴いての情報収集、たまにボスモンスターを狩ったりもする。



そしてこの日もまた、ホークアイ様から任務を受ける。
･･･しかしどうやらこの任務、普段の任務とは違うモノのようだった。

 

セツナ：バラバラ死体が発見された村への派遣任務ですか･･･。












ホークアイ：ああそうだ。頼めるか？

 

セツナ：･･･二つ返事にYESとは言えませんね。そもそも何故俺なのでしょうか。












セツナ：この手の事件はミハエル様が黙ってはいないでしょう。












ホークアイ：それがよぉ、すでに何人か送ったらしいんだけど全滅したらしいんだわ。
















ホークアイ：そん時のアイツの動揺っぷりといったらやばかったぜ。貴重な団長クラスが原因すらつかめず返り討ちになっちまったからな。
んで面白そうだから俺がその任務代わりに引き受けたってワケよセッちゃん。













セツナ：では尚更、俺に依頼を任せるのは理解できませんが。後セッちゃんは辞めてください。

 

ホークアイ：ヤダ。お前の兄貴、確かノーチラスの特殊部隊だろ？この手の事件に特化した部隊だって噂には聞くぜ。

セツナ：まぁ兄上なら何かしら対策を練ってくれると思いますが。

 

ホークアイ：いやぁー助かるぜ！イカルトなんか皆殺しにすれば万事解決っつってるしな！

セツナ：あの方ならそうおっしゃるでしょう。被害拡大を防ぐ為に多少の犠牲は厭わぬお方だ。















ホークアイ：だがこれで決まりだ。お前を派遣。今日中に対策を用意して明日の昼には到着するように。













セツナ：やれやれ相変わらず無茶振りばかり言いますね。まぁやりますけど。

 

ホークアイ：あ、それと最後に。

セツナ：はい？





























──────────くれぐれも死ぬなよ。

──────────善処します。














































































セツナ：というわけなんだけど、この事件の原因に心当たりってないかな？














練：バラバラ死体、ね。そりゃおそらく人狼が村人に化けてるんだろうよ。












セツナ：人狼･･･？














練：そう、人狼。昼は人間に成り済まして相手を騙し、夜に本性を現して人間を食らう人外だな。

練：騎士団の連中は無策で突っ込んだらしいが、そんなの狼に食べてくれと言ってるようなもんだ。















セツナ：で、対抗手段あるの？

練：あるといえば、ある。だが危険だし何なら代わるがどうする？














セツナ：いいよ。俺行くから。対抗手段教えてよ。















練：そうか。それじゃほらよ。















セツナ：ん？

練：そもそも今の人狼は野放しになっている。それを使う事で村を結界で封じ込められる。

練：さらにその紙に記されている誓約を結界内の人間や狼に遵守させられる。















セツナ：この紙自体で人狼を倒せるわけじゃないんだね。

練：ああ。残念だが、人狼はとても強くて普通の人間では太刀打ちできない。

練：それはあくまで人間が狼と戦う土俵を用意する道具だ。

















セツナ：つまりこれを使ってからが本当の勝負の始まりってことだね。

















練：うむ。それともう一つ。

















セツナ：これは･･･？

 

花火：次、俺が持っていく予定だったがお前にやるよ･･･それと俺から一つ警告しておく。














セツナ：忠告じゃなくて警告？随分物騒な言い回しだね。

練：そりゃーそうだ。人狼に殺された場合、リザレクション出来ないからな。














セツナ：え？

 

練：リザレクションによる蘇生は条件がある。それは魂を戻す器の身体が五体満足であることだ。

練：ミハエルがこの依頼に頭抱えた最大の理由もおそらくそこだろう。最悪リザで復活できるなんて甘い幻想は通らないのだから。















セツナ：ホークアイ様はなんて任務を俺に与えてくれたんだ･･･。

 

練：で、どうする？やっぱり辞めておくか？













セツナ：･･･色々ありがとう。兄さん。それでも俺が行くよ。こんな危険な任務を兄さんや他の仲間に任せたらダメでしょ。

練：そうか。だが礼は生きて帰ってきてからにしろ。フラグになるぞ？













セツナ：その一言が一番余計だと思う。














こうして俺は、兄から必要なアイテムを貰って派遣先の村へと向かうのだった。
人を騙し喰らう狼を倒すために。







続く。
→1日目の朝へ行く。

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あとがき

というわけで汝は人狼なりやを題材とした、小説の始まりはじまり～。
ですが今回の話は物語の導入と呼べる部分であり、脚色している部分も多いです。

人狼面白そうだなと思ってもらえるように頑張って書くぞー。
今日はこれにて。